- 「ヒゲにはヤグがいい」と聞いたけど、なぜいいのかの理由が見つからない
- 「最強」とも「痛すぎる」とも書いてあって、どっちが本当かわからない
- 自分はヤグを選ぶべきなのか、判断できないまま止まっている
こんな人のための記事です。
クリニックの公式サイトには「ヤグレーザーが最適」と書いてあることが多いです。
でも「なぜ最適なのか」の根拠まで詳しく書いてある記事は、あまり見つかりません。

私もヤグでヒゲ脱毛をしています。最初は深く考えずに選びました。
あとから承認資料や論文を調べてみたら、ヤグレーザーには選ばれる理由がちゃんとありました。
同時に「ヤグだけあれば完璧」とは言えないことも。
この記事を読むと、ヤグレーザーの立ち位置が整理できます。
「なんとなくヤグ」ではなく、根拠をもって判断できるようになります。
まずは自分が通っている(または検討している)クリニックの脱毛機に、ヤグレーザーが搭載されているかを確認するところから始めてみてください。
ヤグレーザーでヒゲ脱毛、本当に効果はあるのか?

「ヤグレーザーがいい」と聞いて調べているなら、不安の正体はたぶん「なぜいいのか」が見えないことです。
「ヤグが一番いい」と聞いて調べている人へ
「ヒゲ脱毛 ヤグレーザー」で検索すると、上位に出てくるのはほとんどクリニックの公式サイトです。
どこも「ヤグレーザーが最適」と書いています。
でも「なぜ最適なのか」の根拠は、あまり詳しく書かれていません。
書いてあっても「波長が長いから」の一言で終わっていることが多いです。

私も深く考えずにヤグを選びました。
結果的にヤグレーザーを選んだこと自体は間違いではなかった。
でも「なぜヤグなのか」をちゃんと知ったのは、ずっとあとのことでした。
この記事の結論を先に言うと
ヤグレーザーは「最強」ではなく「ヒゲ脱毛の基本」です。
根拠はおもに3つあります。
- ヒゲの毛根が深い場所にあり、ヤグの波長が最もよく届く
- 日本人の肌色に安全に使える根拠が承認資料にある
- ただし単独の効果は3種のレーザーのなかで最も低いデータがある
「最強だからヤグ」ではなく「基本だからヤグ、でも万能ではない」。
この記事では、その根拠をひとつずつ確認していきます。
根拠を知れば、選ぶときの不安がぐっと減ります。
なぜヒゲ脱毛にヤグレーザーが使われるのか?
ヤグレーザーがヒゲ脱毛に使われる理由は、大きく2つあります。
ヒゲの毛根が深い場所にあることと、日本人の肌の色に合うことです。
ヒゲの毛根は深い場所にある
ヒゲの毛根は、ほかの体毛に比べて肌の深い場所にあります。
脱毛用のレーザーには3種類あり、それぞれ光が届く深さが違います。
ヤグレーザーの波長は1064nm。
3種類のなかで最も深くまで届く。
(GentleMax Pro承認資料)
波長が長いほど肌の奥にエネルギーが届くので、深い場所にあるヒゲの毛根にはヤグが向いているということです。
→ レーザー脱毛の仕組みをもっと詳しく知りたい方は「医療レーザー脱毛の仕組みと効果」で解説しています。
日本人の肌にヤグが合う理由
ヤグレーザーにはもう1つ大きな強みがあります。
肌の色が濃くても、安全に使いやすいという点です。
レーザーは毛の黒い色素(メラニン)に反応 → 毛根にダメージを与える
でも肌にもメラニンがある → 肌の色が濃いほどヤケドのリスクが上がる
ヤグレーザーはメラニンへの反応が3種類のなかで最も低いため、肌へのダメージが起きにくい特長があります。
承認資料にはこう書かれています。
「色調が濃いスキンタイプや部位にはNd:YAGレーザーによる治療を検討すること」(GentleMax Pro承認資料)
一般的な日本人のスキンタイプ(肌の色の分類)はⅢ〜Ⅳ。
世界基準だと「やや濃い」に入ります(GentleMax Pro承認資料)。
つまり日本人の肌色でヒゲ脱毛をするなら、ヤグレーザーは安全面でも理にかなった選択肢です。

3種類のレーザーの違いを整理する
脱毛に使われるレーザーは3種類あります。
ざっくり比較するとこうなります。
| レーザー | 波長 | 届く深さ | 肌色の安全性 |
|---|---|---|---|
| アレキサンドライト | 755nm | 浅い | 色白向き |
| ダイオード | 805〜940nm | 中間 | 幅広い |
| ヤグ(Nd:YAG) | 1064nm | 深い | 色黒にも対応 |
ヒゲの毛根が深いこと、日本人の肌色に合うこと。
この2つの理由から、ヒゲ脱毛ではヤグレーザーが基本的な選択肢になっています。
→ 3種類のレーザーの違いをもっと知りたい方は「ヒゲ脱毛のレーザー3種類を比較」で解説しています。
ただし「ヤグが基本」は「ヤグだけで完璧」という意味ではありません。
「ヤグ最強」は本当か?データで見る意外な事実

ヤグレーザーは「最強」ではありません。
単独で比べた場合、効果は3種類のなかでいちばん低いというデータがあります。
単独の効果は3種中いちばん低い
75人を対象に3種類のレーザーを比較した研究があります(Bouzari et al., 2004, PMID: 15056137)。
結果はこうでした。

| レーザー | 毛量の減少率 |
|---|---|
| アレキサンドライト | 65.6% |
| ダイオード | 46.9% |
| ヤグ(Nd:YAG) | 42.4% |
※この研究は腕や脚など全身を対象としたデータで、ヒゲに特化した結果ではありません。
ヤグレーザーの減少率は42.4%で、3種類のなかで最も低い数字です。
ざっくり言うと、10本のヒゲのうち4本しか減らない計算になります。
「ヤグが最強」と書いてあるサイトもありますが、少なくともこの研究の条件では、そうはなっていません。

この数字を見たときは正直驚きました。
気になって論文を探して、元の資料まで確認してみました。
わかったのは、この研究は全身のデータで、ヒゲとは条件が違うということ。
数字だけ見て不安になるのは早い。でも知っておいてよかった。
それでもヒゲ脱毛にヤグが必要な理由
「じゃあヤグを選ぶ意味がないのでは?」
でもこの研究は腕や脚など全身のデータです。
ヒゲのように毛根が深い部位では、事情が変わります。
アレキサンドライト → 効果は高いが浅い場所までしか届かない
日本人の肌色(Ⅲ〜Ⅳ)→ ヤケドのリスクも高くなる
つまりこういうことです。
- 全身の平均では、アレキサンドライトの効果がトップ
- でもヒゲのように「深い+肌色が濃い」条件では、ヤグでないと届かない
「最強」ではないけれど、ヒゲ脱毛では「外せない」。
データだけ見ると不安になるけど、条件が合えばちゃんと効く。
これが調べて、通ってみて出た結論です。
ヤグだけで十分なケース、そうでないケース
ヤグだけで十分かどうかは、ヒゲの状態と肌の色で変わります。
✅ ヤグだけでOKなケース
- ヒゲが太くて濃い(毛根が深い=ヤグの得意領域)
- 肌色がやや濃い(スキンタイプⅣ以上)
🔄 ほかの波長との併用を検討するケース
- ヒゲが細くなってきた(浅い毛根にはアレキのほうが効率的)
- 肌色が白い(アレキでも安全に使える)
アレキサンドライトとヤグを併用して効果が上がったという研究もあります(Zerbinati et al., 2021, PMID: 33247979)。
ただしこの研究はおもに腋(わき)が対象で、ヒゲに特化した併用研究はまだ限られています。
また別の研究では、併用しても追加効果がなかったという結果も出ています(Davoudi et al., 2008, PMID: 18936396)。
「ヤグだけで完璧」とも「併用が常に優れている」とも言い切れない。
研究によって結果が違う=それだけ条件次第ということです。
効果が出にくいときにほかの選択肢に切り替えられるクリニックを選ぶほうが安心だと考えています。
→ ヤグレーザーと蓄熱式(メディオスター)の違いは「ヤグレーザーとメディオスター、どっち?」で詳しく解説しています。
ヤグレーザーの効果を引き出すために、もう1つ知っておいてほしいことがあります。
通う間隔で効果が2倍以上変わる?
施術の間隔が広すぎると、効果は半分以下に落ちる可能性があります。
ヤグレーザーに限った話ではありませんが、ヒゲ脱毛では特に重要です。
承認資料に書かれている間隔の目安
GentleMax ProとGentleMax Pro Plusの承認資料には、部位ごとの推奨間隔が書かれています。
| 部位 | 推奨間隔 |
|---|---|
| 顔(ヒゲ) | 4〜6週間 |
| 体幹 | 6〜8週間 |
| 脚 | 8〜12週間 |
ヒゲの場合は4〜6週間。
だいたい1〜1.5ヶ月おきが、メーカーの想定する間隔です。

通い始めたとき、この目安を知りませんでした。
間隔が広すぎると効果が落ちるデータ
施術間隔と効果の関係を調べた研究があります(Bouzari et al., 2005, PMID: 15663662)。

| 施術間隔 | 毛量の減少率 |
|---|---|
| 45日(約1.5ヶ月) | 78.1% |
| 60日(約2ヶ月) | 45.8% |
| 90日(約3ヶ月) | 28.7% |
※この研究はダイオードレーザーが対象です。
ヤグレーザーでも同じ傾向が考えられますが、条件は異なります。
45日間隔と90日間隔で、効果に約2.7倍の差が出ています。
同じ回数通っても、間隔だけでここまで結果が変わるということです。
なぜこんなに差が出るのか。
理由は毛の生え変わりのサイクル(毛周期)にあります。
レーザーは「成長期」の毛にしか効きません(Lin et al., 1998)。
顔の毛のうち、成長期にあるのは56〜76%
つまり1回の施術では、半分ちょっとの毛にしか効いていません。
間隔が広すぎると、次の成長期に入った毛を逃してしまう。
だから効果が落ちるわけです。
知恵袋:「9回通ったのに効果が出ない」(参考)という声も、間隔が広すぎたことが原因の可能性があります。
→ 効果が出なくて不安な方は「ヤグレーザーが抜けない?原因と次の選択肢」も参考にしてみてください。
何回通えば効果が出るのか
一般的な目安は5〜10回。
承認資料の臨床データでは、1〜4回の治療で41〜80%の減毛率が報告されています。

5、6回目で「減ってきたかも」と感じ始めました。
59名を対象にした研究では、ヤグレーザー6回施術後に56%の患者が「ほぼ気にならないレベル」に到達しています(PMC2840900)。
ただしこの研究はスキンタイプⅣ〜Ⅴ(日本人より暗い肌色)が対象なので、日本人では結果がやや異なる可能性があります。
承認資料には「期待される効果は永久的なものではない」とも書かれています。
完全にゼロにするのではなく、「管理できるレベルまで減らす」と考えるのが正確です。
効果がわかったところで、もう1つの不安が残っているはずです。
ヤグレーザーの痛みはどのくらい?

正直に言うと、痛みはあります。
ただ「耐えられないほどか」は、部位と条件で大きく変わります。
「死ぬほど痛い」は本当か
知恵袋:「死ぬほど痛い?」「熱い針を複数刺される感じ」(参考)
X:「鼻下のバチバチ痛みはマジで輪ゴム5倍級」

鼻下がいちばん痛かったです。奥まで響く感じ。
一方で研究データを見ると、痛みの評価は分かれています。
ある研究ではヤグの痛みスコアが高く出ていますが、別の研究では低いという結果もあります。
「ヤグ=死ぬほど痛い」とは一概には言えない。
部位・出力・肌の色・個人差で大きく変わります。
痛いのは事実。でも回数を重ねるうちに確実に減る。
迷っている人は、まず1回試してみて判断するのがいちばん確実です。
痛みを減らす方法
痛みを軽くする方法はおもに2つあります。
① 麻酔クリーム:施術30分前に塗ると痛みがかなり和らぐ
② 冷却機能つきの機種:ジェントルシリーズやスプレンダーXなど
副作用(色素沈着・紫斑・乾燥・軽度の熱傷)は承認資料で報告されていますが、いずれもフォローアップ時に回復しています。
「痛みが怖いからヤグを避ける」のではなく、「痛み対策ができるクリニック・機種を選ぶ」ほうが建設的です。
ただし、ヤグレーザーはすべての脱毛機に搭載されているわけではありません。
ヤグレーザーが使える機種はどれ?
医療承認を受けた脱毛機は6種ありますが、ヤグレーザーを搭載しているのは4種です。
承認機器6種のヤグ搭載一覧
- ジェントルマックスプロ(755nm + 1064nm)
- ジェントルマックスプロプラス(755nm + 1064nm)
- ジェントルヤグプロ(1064nm)
- スプレンダーX(755nm + 1064nm)
❌ ヤグ非搭載(2機種)
- ライトシェア Duet(805nm)
- メディオスターネクストプロ(808nm + 940nm)
ヤグ搭載の4機種のうち、3つはアレキサンドライト(755nm)も搭載しています。
ヤグだけでなく、アレキとの使い分けや併用もできる機種です。
この記事の前半で「ヤグだけで十分なケースと、そうでないケース」を紹介しましたが、複数の波長に対応した機種のクリニックを選ぶと、状態に応じた柔軟な対応が期待できます。
機種の詳しい違いは別記事で
各機種の細かい違いは、この記事では触れません。
まとめ:ヤグレーザーは「最強」ではなく「基本」
- ヤグレーザーは波長が長く、深いヒゲの毛根に届く
- 日本人の肌色(スキンタイプⅢ〜Ⅳ)に安全に使える根拠がある
- ただしヤグ単独の効果は3種中最も低い。「最強」ではなく「基本」
- 施術間隔は4〜6週間が推奨。広すぎると効果は半分以下に
- 承認機器6種のうちヤグ搭載は4種。複数波長の機種が柔軟性で有利
「ヤグレーザーが最強」と思って調べている人は多いと思います。

私も似たような気持ちで選びました。
でもデータを見ると、ヤグは「最強のひとつ」ではなく「ヒゲ脱毛に欠かせない基本」です。
大事なのは「ヤグがあるか」だけでなく、「合わないときに切り替えられるか」。
① 脱毛機にヤグレーザーが搭載されているか
② ほかの波長にも対応しているか
この2つを確認するだけで、「なんとなく選ぶ」から「根拠をもって選ぶ」に変わります。
→ 具体的なクリニックの選び方は「失敗しにくいヒゲ脱毛の選び方【完全ガイド】」で解説しています。
参考情報
- 承認資料:GentleMax Pro(PMDA 23000BZX00128000・PMDA検索)
- 承認資料:GentleMax Pro Plus(PMDA 30200BZX00304000・PMDA検索)
- 承認資料:スプレンダーX(PMDA 30400BZX00021000・PMDA検索)
- 承認資料:メディオスターネクストプロ(PMDA 23000BZX00140000・PMDA検索)
- 承認資料:ライトシェア Duet(PMDA 30200BZX00004000・PMDA検索)
- Bouzari N et al. “Comparison of hair removal with 3 types of lasers” Dermatol Surg. 2004(PubMed)
- Davoudi SM et al. “Combination of alexandrite and Nd:YAG” JAMA Dermatol. 2008(PubMed)
- Zerbinati N et al. “Combined alexandrite and Nd:YAG laser” Dermatol Ther. 2021(PubMed)
- Bouzari N et al. “Optimal interval for laser hair removal” Int J Dermatol. 2005(PubMed)
- Lin TY et al. “Hair cycle and laser susceptibility” J Invest Dermatol. 1998(PubMed)
- Nd:YAG 6回施術・顔面・59名(PMC)



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